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飯豊 実川壺安沢〜裏川支流下降〜裏川矢沢(2019.8.14-17)

2019年8月14日-17日
【メンバー】D蔵、O村
【コースタイム】
 8/14:実川集落(6:30)〜壺安沢出合い(8:00)〜堰堤(9:20)〜水晶尾根(11:40)〜ブナ入り平(14:40)
 8/15:幕営地(5:40)〜オコナイ沢〜裏川本流(7:40)〜矢沢出合い(10:00)〜持場沢出合い(15:20)〜900m付近(15:30)
 8/16:幕営地(5:20)〜大日岳(14:30)〜1865m付近(16:20)
 8/17:幕営地(6:40)〜アシ沢出合い(8:50)〜実川集落(13時頃)

 去年の雪辱で、無事遡行できて充実した山行だった。極端に悪いところはなく、特に矢沢に入ってから持場沢出合いまでは美渓。虫を除けば快適な沢だった。

<8/14:晴れ>
 実川集落の駐車場に車を停めて出発。去年の踏み跡を辿るアプローチは暑さと、アブがつらいので、今年は実川右岸の壺安沢から水晶尾根越えのアプローチをとる。歩き出すにつれてアブが寄ってくる。防虫ネットを被るが、去年よりはマシだ。1時間半ほどで壺安沢に到着。
 5月の偵察時同様に壺安沢出合いから右岸の踏み跡を少し辿り、踏み跡が左岸にわたるところから少し上に上がって、上の踏み跡を辿る。踏み跡が沢に降りた後は、適当に進むと堰堤が現れる。ここからは普通の遡行だが特に困難なところはない。右岸から入る支流から水晶尾根に乗越したいが、1つ目の支流は出合いの滝の高巻きが大変そうでパス。2つ目の支流も滝で出会っているが、左岸から巻けそうなので、この沢を進むことにする。その後は、ちょっと面倒な滝を空身で登ったりするが、大きな困難はない。しかし、とにかく暑い。どうにか水晶尾根に到着し大休止。今年の正月に続く再訪となる。ブナの巨木が立派。
 ここから少し藪を漕いで、裏川支流の沢に入る。この沢が岩盤が発達しており、クライムダウン、懸垂、巻きの連続となる。幸いちょうどいいところに大きな木があり、シュリンゲは使わずに懸垂で降りられるが、なかなか大変だった。雪がないので5月とは大分勝手が違う。
 どうにかブナ入り平に到着して、5月と同じ場所を幕場に定めてくつろぐ。巨木に囲まれたいいところだ。アブは大したことないが、今度は蚊が多い。ツエルトの中はサウナ状態で、パンツ1丁でどうにか寝れた。


<8/15:晴れのち曇り>
 幕営地からブナ入り平を進み、最後は懸垂でオコナイ沢に降りる。裏川との出会いは連瀑になっていて降りられそうもないので、オコナイ沢右岸を高巻いて、本流左岸に移る。更に本流左岸の高巻きを続けて、最後は懸垂でようやく本流に降り立つ。本流はそれなりの水量だ。
 本流に降り立ってからは、1ヶ所滝でロープを出し、ゴルジュ帯を巻く。巻きは右岸。ゴルジュ帯を抜けると谷が開けて河原となる。ここの砂地に人の足跡があり、単独で裏川本流周遊をしていた人と後で知る。河原を過ぎると、トロが何ヶ所かあり泳ぎで突破する。気温が高いので、それほどつらくはない。泳ぎを終えて、沢が右に屈曲するところで先を除くと矢沢出合いで天狗橋が見える。巨大なチョックストーンでナカナカの奇観だ。
 矢沢出合いの滝は、空身で右上するバンド状を進んで、水流中のスタンス・ホールドを使って越える。ゴーグルが役に立った。水量が多いと苦労しそうだ。先の滝は手が出ないので、天狗橋脇から左岸を高巻く。段丘の上に乗ると、幕場の後あり。段丘上を進んで藪伝いに沢に戻る。この後は基本的には水流沿いを遡行する。思っていたより開けた沢で、岩盤の発達した渓相が美しい。水に浸かるところはそれなりにあるが、泳ぐようなところはなく、気温も高いので気持ちいい。少しやらしい滝のところで、空身で登って途中で荷揚げして越える。地形図上の滝マークと思われる滝は登ると大変そうなので、少し戻って右岸ルンゼ状から巻くが、途中からロープを出して灌木交じりの岩登りとなる。段丘上を少し進んで懸垂で沢に戻る。少し進むと出てくる傾斜の緩い連瀑帯がどうやら政一の滝のようで一応ロープを出して上るが、時間短縮のため3人目確保と1人目がロープ伸ばすのは同時に行う。ほどなくすると左岸から持場沢が滝で出合う。少し進んだ河原に、左岸に1段上がったところに比較的平らなところがあったので、行動終了とする。薪は豊富で、風が通るおかげか虫もおらず、寝床も草を敷き詰めると快適な幕場となったが、この日もツエルトの中は暑かった。


<8/16:断続的に雨>
 出発してほどなくすると雪渓が出てくる。雪渓手前の滝は左の岩の下をくぐって越える。越えた後のトラバースが少しやらしくお助けひもを出す。このあたりから雨が降り出す。雪渓に1回登って、降りて再びずり上げるところでお助けひもを出す。最後上に上がるところが少し大変。しばらく雪渓を進むが滝になっているところで切れているので、左岸に岩の上に降りる。ロープ1ピッチのトラバースで沢に戻る。残置ハーケン1個あり。少し進むと登れない滝が出てくるので左岸から巻く。ルンゼをある程度登ったところからロープを出して、草付きから灌木帯のトラバースとなる。尾根状に出たところで、少し下って懸垂で沢に戻る。1ヶ所やらしい滝が出てきて、正面から突撃するが、水流が強すぎて敗退。D蔵さんが右壁を空身で登って越える。ハーケンが抜けずに残置。この辺から雨が強くなってきて少し寒い。なぜかD蔵さんにだけブヨがたかっている。
 この後からはおおむね沢はゴーロ状となる。雪渓の上り下りを何度か繰り返すと1200mで左岸から割と顕著な支流に出合う。この後も渓相は同じような感じ。1ヶ所登れない滝を、右側のチョックストンを越えた他は特に困難なところはない。1400mあたりは不安定な雪渓があり、脇を登ったり、くぐったりして心臓に悪い。最後の詰めは大日岳に直接突き上げる、水量の多い方を忠実に詰める。1ヶ所滝があるので、少し左岸の支流に入ってから、ロープを出して草付きをトラバースして越える。忠実にガレ場を詰めると、水は一気に穴に消えてしまう。水が消えてからも忠実に沢型を詰めるとポンと湿原に出る。右に続く踏み跡を辿ると、すぐに登山道に出て10分ほどで大日頂上に到着。霧雨で、風強く寒い。早々に下山にかかる。幕場を探しながら進むが、なかなかいいところがなく1865m付近の平らで風をよけられるところで、笹を少し刈り払って行動終了とする。ツエルト内は湿気100%で蚊取り線香もなかなかつかない。去年の滝ハナ沢を思い出す不快さだが、着替えてしまえば耐えられる。夜は風が強かったが、暑さからは解放された。


<8/17:曇り>
 この日もブヨがすごい。オンベ松尾根上部はざれているところが随所にあって歩きにくいが、樹林帯に入ってからは比較的降りやすい。アシ沢出合いで大休止。湯ノ島小屋を見学して、林道を黙々と歩いて戻った。

   
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