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飯豊 蒜場尾根〜大日岳〜本山〜川入(2020.2.29-3.3)

2020年2月29日-3月3日
【メンバー】単独
 2/29:冬季ゲート(7:20)〜加治川ダム(8:30)〜蒜場山(13:30)〜高立山過ぎたあたり(16時頃)
 3/1:幕営地(6:40)〜烏帽子山南峰(11:50)〜キンカ穴峰1614直下(15:00)
 3/2:幕営地(5:30)〜大日岳(8:20)〜御西小屋(10:10)〜本山(11:50)〜本山小屋(12:00)
 3/3:小屋(7:00)〜切合小屋(8:20)〜三国小屋(10:10)〜松ノ木尾根〜タカツコ沢出合い(12:20)〜川入(13:40)〜いいでの湯(15:40)

 5年前から計画しては悪天のため転進続きとなっていた蒜場尾根をようやく完登できた。天気は予報通りイマイチだったものの、冬型が続かなければ行けると踏んで決行して良かった。2日目は風に叩かれ続けられながらもキンカ穴峰まで行けたため、風が比較的穏やかな半日を大日を越えるタイミングに持っていけた。それにしても2日目以降は風に叩かれる時間が長く疲弊した。3月といえど飯豊の天気はナカナカ厳しいと思い知ったが、それが魅力でもあり、懲りずに今後も通い続けていきたい。

<2/29:小雪のち晴れ>
 夜行バスで新発田まで。泉観光の3列シートにしたが、カーテンで仕切られていて足元広く、ナカナカ良かった。新発田からは予約しておいたタクシーで加治川ダム方面の冬季ゲートまで、約7000円。軽トラが停まっており1人入っているようだ。ここから加治川ダムまでは大した雪はない、ダム関係者の車も入っているようで、ラッセルとはならない。
 加治川ダムから登山道に取りつき、すぐにスノーシューをつける。先行者のトレースが続いており、ラッセルなく進むことができる。ただし、荷の重さに体が慣れておらず結構しんどい。p932を過ぎて鞍部のあたりで、ようやく先行の単独の方に追いつく。お礼を言って、ここから1050mあたりまで少し先行するが、再びトップを譲ってからは山頂までトレースを辿ることとなった。天気は曇りから小雪が舞っていたが、山頂に近づくにつれて天気が回復して晴れてくる。蒜場山にヤレヤレの思いで着き、お礼を伝える。先が長いだけに正直助かった。地元の方で1月に来た時よりも雪は多いとのことだった。
 山頂を少し北に進み、蟹沢源頭の左岸尾根を少し下って。蟹沢源頭を横断し蒜場尾根に復帰する。ブナのいい感じの尾根を進み高立山を越えたあたりの、風をよけられそうなところで行動終了とした。携帯電波は入らなかった。

1000mあたりから痩せ尾根となる

少し進むと再び尾根は広くなる、しんどい

徐々に天気が回復

蒜場山へ最後の登り

蒜場山頂上

二王子方面

主稜線方面

蟹沢横断直後、感じのいいブナが続く

蒜場山方面

延々と続く蒜場尾根

<3/1:霧(北西風強い)>
 夜は少し雪が降ったようだ。朝になると雪はやんだが、ガスっている。ブナがいい感じの尾根を進む。p1351あたりから尾根がやせてきて、烏帽子山に近づくにつれて風も強まってくる。雪はほとんど降っていないので、まあ歩ける。烏帽子山南峰を空身で往復して、更に先へ進む。相変わらず風が強いが、風をよけられるところで休みつつ進む。藪が出ているおかげでホワイトアウトにはならない。幕場を探しつつ進むが、なかなか適地がない。キンカ穴峰(p1614)直下で風が弱く、雪洞も掘れそうなところがあった。少し先をうかがってみるが、いいところはなさそうなので、行動終了とする。テントを入れられる半雪洞を掘っていると、ようやく天気が回復してきて晴れ間が見えた。夜は街の明かりも見えた。携帯電波が入り、明日以降の予報を確認できた。
稲葉の平
烏帽子山手前

烏帽子山手前

烏帽子山南峰

キンカ穴峰直下

<3/2:曇りのち霧のち晴れのち風雪(南西風徐々に強まる)>
 出発するころは視界があったため、昨日歩いてきた尾根、烏帽子山を見ることができた。ほどなくして霧に包まれる。昨日よりも風は弱い。また、通常とは違う風向き(南西風)のため、尾根の向きによっては無風状態となる。時々真っ白で視界がなくなるが、随所で藪が出ており、それを目印に歩ける。途中でアイゼンに履き替えて真っ白な中を進んでいくと大日岳にあっけなく到達。視界はないが、無風で助かった。一応、積雪期と呼べる時期に来れて満足。
 大日岳から先は藪がなく完全にホワイトアウトとなる。GPSで位置を確認しつつ、雪面と空の色の境目に目を凝らしながら慎重に進んでいく。100m程度下ると藪が出てきてスピードアップ。鞍部あたりからガスが取れて、5年前に歩いた二王子尾根、主稜線が姿を現す。あの時は蒜場尾根を下降する計画にしていたが、超冬型から逃げるようにして川入に下山したことを思い出す。烏帽子岳から東に延びるクサイグラ尾根がなかなか立派で、いつかトレースしてみたいと思わせる。御西小屋に着く手前で再びガスに巻かれ、小雪も舞ってくる。御西小屋は1階が露出していた。5年前は1階が埋まっていたが、寡雪の影響だろうか。
 ここから本山を目指すが、南西風がどんどん強まって風雪となる。御西岳過ぎまでは藪もないのでGPS頼み、駒形山手前からは藪を目印にすすんで、5年前と同じく風雪の本山に到着。本山小屋から先に進むか迷うが、疲れたのと明日の方が多少は天気いいだろうとみて行動終了とする。

幕場付近より振り返る

大日方面はガス

大日手前のどこか

大日岳

主稜線方面

御西方面

二王子方面

御西小屋

本山

本山小屋


<3/3:霧のち小雪(西風強い)>
 夜はすごい風で、小屋が揺れているように感じたが朝になると昨日並みの風に収まっていた。雪はやんでいるので昨日よりは歩きやすいが、飛ばされないよう慎重に進む。時々青空が見えるが、基本的には霧の中を進む。草履塚を越えると風はだいぶ弱まる。切合小屋は窓の閉め方が甘かったのか雪が吹き込んでいた。
 種とき山から先は木が出てきて更に風が弱まるが、雪庇には気を払う。途中からスノーシューに履き替えて三国小屋に到着。相変わらずガスっており、小雪も舞ってきた。少し疣岩山方面へ進み、松ノ木尾根に入る。大きな樺が目印だ。松ノ木尾根をグングン降りて、最後は雪がつながっているところをタカツコ沢に降りる。飛び石伝いに対岸に渡る。5年前は雪で埋まっていたのだが、今年の寡雪がうかがえる。
 川入集落手前で道に雪がなくなりスノーシューをとるが、再び雪が出てきてスノーシューをつける。半端に雪が残っているので面倒だ。集落から先は道路の両脇に少し雪が残るくらいで全く雪がない。早くも冬眠から覚め卵を産んでいるカエルの鳴き声を聞きつつ、フキノトウをとりつつ、いいでの湯まで長い舗装路を歩いた。

小屋出たあたり、時折青空見える

種とき山までは風が強い

切合小屋

三国岳への尾根、雪庇が発達している

三国小屋手前

松ノ木尾根、徐々に樺からブナとなる

松ノ木尾根下部

タカツコ沢

川入集落手前

早くも春


   
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